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写真をキレイに印刷できない悲劇をさくっと解決(Microsoft Office)

このページは、2016年10月18日現在の情報に基づいて掲載しております。
情報の信頼性は、法令の改正や温暖化の進行具合、摂取したコラーゲンの量、ムカデがどの足から歩き出したか等の様々な事象の影響を受け、日々刻々と常に変化しております。

ユーザのあずかり知らぬところで余計なことをすることでおなじみのMicrosoft Office®ですが、Microsoft Office®2010からさらなるおせっかいが登場しました。

例えば、写真を綺麗に印刷するために、スマホやデジカメで最高画質で撮影し、満を持してPowerPointに貼り付けたのに、実は最高画質が活かされずに印刷されている、信じられないかも知れませんが、みなさんの知らないうちに、実際に起きている事象なのです。

印刷を生業にしている人でもない限り、この事象に気が付く人はそうそういないかも知れません。
それでも目の前にある印刷物は、あなたが満を持して撮影した最高画質の写真ではないのです。

Microsoft Office®は、常に初心者を主眼に置いている(・・・と思う)

例えば、“1.”と打って改行すると、次の行に“2.”と出てくる。
一見便利そうなこの機能ですが、実は、あなたがせっかく設定した段落設定を破壊しています。
でも、そんなことに気がつくのは、きっと、印刷を生業にしている人か、その他のとってもレイアウトに拘った人くらいなもので、気にしない人にとっては依然として便利な機能なのかも知れません。

このように、初めてMicrosoft Office®製品に触れる人に、最高のエクスペリエンス(体験)を提供することがMicrosoft®の思想なのでしょう。
初心者はそのまま使う、パワーユーザは自分好みに設定をカスタマイズして使う、みたいな具合です。
ただ、PCやログオンユーザを変えるたびに、いちいち設定しないといけないのは煩わしいし、かといってわざわざレジストリを調べてレジストリファイルを用意するのも面倒くさいもの(レジストリを直接いじるとサポートしてもらえなくなるし・・・)。
結果、パワーユーザほど、Microsoft®に批判的になる、という構図が成り立っているのではないかと思うわけです。

そろそろ本題

さてさて、話し始めると止まらなくなるのは僕の悪い癖ですが、この辺で本題に入っておかないと嫁にも逃げられるってものですね。

Microsoft Office®2010から、オプションの設定に「ファイル内のイメージを圧縮しない」という項目が追加されました。
併せて、この設定項目に付随する「既定の解像度の設定」という項目も追加されました。

ここで、少しややこしい話に触れますと、「ファイル内のイメージを圧縮しない」のチェックボックスは、次のように機能します。

  • ON ・・・ ファイル内のイメージを圧縮しない
  • OFF ・・・ ファイル内のイメージを圧縮する(既定の解像度を超える画像が対象)【既定値】

否定形の項目ゆえにONとOFFの意味合いが逆転して見えるのはよくある話としても、OFFにしたときに付随する項目が有効になるというのはなかなか理解を妨げるものじゃなかろうかと思うわけですが、言ってても始まらないので「こういうものだ」と理解して進めます。

220ppiを超える画像は圧縮される、これが既定値

ここで「圧縮」という言葉に触れておきますと、ひと口に圧縮といっても、世の中には「可逆圧縮」と「不可逆圧縮」があります。
可逆圧縮とは、圧縮してサイズが小さくなっても伸長することで元の状態に戻せる圧縮方法をいいます。Microsoft Windows®XPから標準搭載になったZIP圧縮なんかがその典型です。
一方で、不可逆圧縮とは、圧縮してサイズが小さくなるものの二度と元の状態に戻すことができない圧縮方法をいいます。この典型には、スマホやデジカメで撮影した写真画像でおなじみのJPEG画像などがあります。
スマホやデジカメで最高画質で撮るというのは、つまり、撮影した写真を低圧縮率または無圧縮で保存することを意味しております。
また、より鮮明に撮るために、写真そのものの大きさ(点の細かさ)を大きく(点の数を多く)保存することも意識していることでしょう。何百万画素とかいうアレです。

本題の「ファイル内のイメージを圧縮しない」の「圧縮」は、元の状態に戻せない不可逆圧縮を指しています。
既定の解像度を超える画像については、少なくとも、貼り付けて保存して閉じて、次に開いたときには画質が劣化しているということです。
スマホやデジカメでいくら最高画質(低圧縮率または無圧縮)で撮っても、この設定がOFFになっている限り、不可逆圧縮されてしまうんですね。

ちなみに、「既定の解像度の設定」の既定値は220ppi。ppiとは、Pixel per Inchの略で、1辺の1インチあたりに点がいくつあるか、という単位です。
解像度には、dpi(Dot per Inch)という単位もありますが、点をPixelと呼ぶかDotと呼ぶかの違いだけで、ここでは同じ意味と捉えていただければ結構です。
一般的な写真のサイズ(という言い方も時代遅れかも知れませんが)であるLサイズは、127mm(5in.)×89mm(約3.5in.)ですから、この場合の220ppiは1,100px.×770px.であり、僕の愛用するiPhone4Sで撮影した写真(3,264px.×2,448px.:約800万画素)でさえ、圧縮対象になります。
つまるところ、写真そのものの大きさ(点の細かさ)を大きく(点の数を多く)保存した画像ほど、勝手に圧縮されて劣化するということなんですね。

勝手に圧縮させない

さてさて、こんなにも悲しい現実が、知らないところで繰り広げられていたことを知った今、どうすればこの悲劇から脱出できるのか。
この答えは単純ですが、「勝手に圧縮させない」ことです。

この解決策を実行する前に、大事なことをひとつ。
そもそもMicrosoft®さんは、写真をペタペタ貼り付けた結果、ファイルの容量が巨大になることを避ける目的で、ファイル内のイメージを圧縮することを既定値としているようです。
根拠として、「ファイル内のイメージを圧縮しない」項目の横に、次のような一文が用意されていることが挙げられます。

このオプションをオンにすると最高の画質になりますが、ファイルのサイズが非常に大きくなる可能性があります。
このオプションをオフにした場合は、画像の保存時に1インチあたりのピクセル数が以下で指定した数まで低下します。
ということですので、ここから先は、ファイルの容量をご自身の責任の範囲内で管理できる方のみお読みください。

特定のファイルだけ、画像を勝手に圧縮させないようにする方法

次の手順に沿って設定します。

  • 画像を勝手に圧縮させたくないファイル(以下、「対象のファイル」)を開きます。

  • メニュー〔ファイル〕→〔オプション〕で、〔~のオプション〕ウィンドウを開きます。

  • 〔~のオプション〕ウィンドウの〔詳細設定〕ペインをクリックし、3分の1程度スクロールしたところにある〔イメージのサイズと画質〕を見つけます。

  • 〔イメージのサイズと画質〕の横のプルダウンメニューに、対象のファイル名が表示されていることを確認して、〔ファイル内のイメージを圧縮しない〕のチェックを入れます。

  • 〔OK〕ボタンを押して、〔~のオプション〕ウィンドウを閉じます。

  • 対象のファイルを保存します。
    今まで貼り付けた画像がある場合は、もう一度貼り付けなおす必要があります。

これから新たに作るファイルに対して、勝手に画像を圧縮させないようにする方法(Microsoft Word®のみ)

次の手順に沿って設定します。

  • Microsoft Word®を開きます。

  • メニュー〔ファイル〕→〔オプション〕で、〔Wordのオプション〕ウィンドウを開きます。

  • 〔Wordのオプション〕ウィンドウの〔詳細設定〕ペインをクリックし、3分の1程度スクロールしたところにある〔イメージのサイズと画質〕を見つけます。

  • 〔イメージのサイズと画質〕の横のプルダウンメニューに、「すべての新規文書」が表示されていることを確認して、〔ファイル内のイメージを圧縮しない〕のチェックを入れます。

  • 〔OK〕ボタンを押して、〔Wordのオプション〕ウィンドウを閉じます。

  • Microsoft Word®を閉じます。

Microsoft Excel®やMicrosoft PowerPoint®で同じことをしたい場合は、次の「開いたファイルすべてに対して、勝手に画像を圧縮させないように強制する方法」を参考にしてください。

開いたファイルすべてに対して、勝手に画像を圧縮させないように強制する方法

次の手順に沿って設定します。
注:この手順には、レジストリを変更する手順が含まれております。レジストリを変更するとMicrosoft®社のサポートを受けられなくなる場合があります。この手順は、みなさまご自身の判断と責任において行ってください。いかなる場合においても、弊社は、みなさまがこの手順を実行した結果発生した損害について、一切の責任を負いません。

  • Microsoft Word®、Microsoft Excel®、および、Microsoft PowerPoint®が起動していないことを確認します。
    起動している場合は、終了してください。

  • スタートメニューからコマンドプロンプトを開き、「regedit」と入力してEnterを押します。

  • 〔レジストリエディタ〕が開きますので、次のレジストリを追加します。

    • Microsoft Office® 2010

      • Microsoft Word® 2010

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Word\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

      • Microsoft Excel® 2010

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Excel\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

      • Microsoft PowerPoint® 2010

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\PowerPoint\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

    • Microsoft Office® 2013

      • Microsoft Word® 2013

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Word\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

      • Microsoft Excel® 2013

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Excel\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

      • Microsoft PowerPoint® 2013

        [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\PowerPoint\Options]
        "AutomaticPictureCompressionDefault"=dword:00000000

  • 〔レジストリエディタ〕を閉じます。

  • 念のため、PCを再起動します。

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